Web開発用のサーバー構築や開発環境のセットアップを進める際、「CentOSとUbuntuはどっちを選ぶべき?」と迷っていませんか?
かつては「サーバーといえばCentOS」と言われた時代もありましたが、結論からお伝えすると、現在のWeb開発においては「Ubuntu」が圧倒的におすすめです。
インフラ環境の構築やLinuxコマンドに不安がある方や、PHPなどのWebバックエンド開発を基礎から実践的に学びたい方は、メンターの手厚いサポートを受けながら最短でスキルを習得できるプログラミングスクールの活用もおすすめです。
【結論】Web開発ならCentOSよりも「Ubuntu」が圧倒的におすすめ
なぜ今のWeb開発はUbuntu一択なのか?
現在のWeb開発環境においてUbuntuが推奨される理由は、主に以下の3点に集約されます。
- 最新の開発環境・ツールが最も導入しやすい: Docker、Node.js、Python、Goなどの最新バージョンをスムーズにセットアップできます。
- CentOSのサポート終了(EOL)と位置づけの変化: 従来の安定版CentOSはサポートを終了しており、現行のCentOS Streamは先行開発版としての性質が強くなっています。
- クラウド・Web業界におけるデファクトスタンダード: AWSやGCP、VPSサービスでの採用率が非常に高く、エラー発生時にも豊富な情報ですぐに解決できます。
CentOSとUbuntuの比較早見表
Web開発において重要となる主要な項目について、UbuntuとCentOS(現行のCentOS StreamおよびRHEL系後継)の違いをまとめました。
| 比較項目 | Ubuntu (LTS版) | CentOS (現CentOS Stream / RHEL系) |
| 系統 | Debian系 | Red Hat (RHEL) 系 |
| Web開発での評価 | ◎ 最適(現在の標準) | △ やや扱いづらい(設定の難易度が高い) |
| パッケージの新しさ | 比較的新しいバージョンが標準で利用可能 | 安定性重視のためバージョンが古めに固定 |
| Webツールの導入 | Docker、Nginx、最新言語の導入が極めて容易 | 追加リポジトリやSELinuxの調整が必要 |
| トラブル解決・情報量 | 日本語・英語ともに最新記事が豊富 | 企業向け情報は多いが、モダンWebの情報は減少 |
| サポート状況 | LTS版は5年間の無償長期サポート | CentOS 7はEOL。現在はCentOS Streamへ移行 |
| 主な用途 | Webアプリケーション開発、クラウドサーバー | 企業の基幹システム、レガシー環境の保守 |
Web開発でUbuntuが選ばれる4つの決定的な理由
Web業界において、なぜここまでUbuntuが圧倒的な支持を集めているのか、具体的な4つの理由を解説します。
1. 最新のWeb技術(Docker・Node.js・Pythonなど)が導入しやすい
Ubuntuはパッケージマネージャー(apt)で管理されるソフトウェアのバージョン更新が早く、モダンなWeb開発で必須となるツール群をスムーズに導入できます。
- 公式インストールの手軽さ: Docker、Node.js、Python、Go、Rustなどの公式ドキュメントでは、Ubuntu向けの手順が最優先で記載されているケースがほとんどです。
- PPA(Personal Package Archive)の活用: 公式リポジトリにない最新バージョンも、PPAを追加することで簡単にインストールできます。
- 初期設定のシンプルさ: CentOS系で導入時に設定調整が必要になりやすいアクセス制御機能(SELinux)などがデフォルトで厳格すぎず、開発の初期セットアップで躓きにくい構成になっています。
サーバーOSを決めた後のWebサーバー選定については、【Webサーバー構築】ApacheとNginxの違いと選び方を比較で詳しく解説しています。
2. クラウド(AWS / GCP)やVPSでの採用率・標準採用が高い
AWS(Amazon Web Services)のEC2やGCP(Google Cloud)、ConoHaやさくらVPSなどの各種ホスティングサービスにおいて、Ubuntuは事実上の標準OSとして提供されています。
- クラウドAMIの充実: AWSではUbuntuの公式AMI(Amazon Machine Image)が迅速に提供・更新され、最適化されたカーネルで動作します。
- インフラ自動化との親和性: TerraformやAnsible、GitHub Actionsなどを用いたCI/CDパイプラインの構築時にも、Ubuntu環境を前提としたサンプルコードが数多く存在します。
実際にAWS上でUbuntuサーバーを立ち上げてみたい方は、【初心者向け】AWS EC2を使ったモダンなWebサーバー構築入門を参考に進めてみてください。
3. トラブルシューティング時の情報量(日本語・英語)が圧倒的に多い
開発中に予期せぬエラーが発生した際、解決策にすぐ辿り着けるかどうかは開発スピードに直結します。
- 世界最大のコミュニティ: Ask UbuntuやStack OverflowなどのQ&Aサイトには、膨大なトラブル解決事例が蓄積されています。
- WSL2(Windows Subsystem for Linux)の普及: Windows環境の開発でもUbuntuがデフォルトで使われるため、ローカル開発環境と本番サーバーのOS環境を統一しやすく、ノウハウをそのまま活かせます。
4. OSやライブラリのアップデートサイクルが明確で扱いやすい
Ubuntuはリリーススケジュールが厳密に定められており、システムの運用計画が立てやすい点も大きな強みです。
- 2年ごとのLTS(Long Term Support)リリース: 偶数年の4月(例:22.04 LTS、24.04 LTS)にリリースされるLTS版は、5年間の無償セキュリティサポートが保証されています。
- 安定した移行パス: 次期LTS版へのアップグレード手順も公式ドキュメントで確立されており、長期的なWebサービス運用でも安心して採用できます。
なぜ今「CentOS」をWeb開発に選ぶべきではないのか?
以前のWeb業界では「安定した無料のサーバーOSといえばCentOS」という時代が長く続きました。しかし、現在の状況下で新規のWeb開発にCentOSを選ぶことは推奨されていません。その主な理由を解説します。
CentOS 7のサポート終了(EOL)とCentOS Streamへの変更
CentOSを取り巻く環境は、開発方針の変更によって大きく様変わりしました。
- CentOS 7の公式サポート完全終了: 多くのサーバーで長年使われてきた「CentOS 7」は、2024年6月30日をもってすべての公式サポート(EOL)を終了しました。セキュリティパッチが提供されないため、新規構築で利用するのはセキュリティ上非常に危険です。
- CentOS Streamへの移行と位置づけの変化: 従来のCentOSは「商用OSであるRHEL(Red Hat Enterprise Linux)の完全な安定版クローン」でした。しかし、現行の「CentOS Stream」はRHELに先行して新機能を取り込む開発版(アップストリーム)へと位置づけが変更されました。
- Web開発におけるリスク: パッケージが頻繁に更新される開発版であるため、予期せぬ動作変更やライブラリの不整合が発生するリスクがあり、安定稼働が求められる本番Webサーバーや初学者の学習環境には不向きとなっています。
RHEL系が必要な場合は「AlmaLinux」「Rocky Linux」が代替になる
「会社の要件でどうしてもRed Hat系のLinuxを使わなければならない」「将来的に基幹系システムのインフラ構築に携わりたい」という場合は、CentOSの代わりに登場した後継OSを選択するのが現在の標準です。
- AlmaLinux / Rocky Linux: どちらも従来のCentOSと同様に「RHELとの100%バイナリ互換」を目指して開発されているオープンソースOSです。長期サポートが約束されており、CentOS 7からの乗り換え先として広く利用されています。
- Web開発視点での注意点: 安定性は高いものの、Ubuntuに比べると最新のWeb系ライブラリの導入にひと手間(EPELリポジトリの追加やビルドなど)が必要になる場面が多く、モダンなWebアプリ開発では依然としてUbuntuの方が扱いやすい傾向にあります。
あなたはどっちを選ぶべき?タイプ別の選定基準
ここまでの特徴を踏まえ、自身の開発目的や学習ゴールに合わせてどちらを選択すべきか整理しました。
Ubuntuを選ぶべき人(Webエンジニア・個人開発・Docker利用者・初学者)
Web開発に携わる大半の方には、扱いやすさと将来性の両面からUbuntu(LTS版)をおすすめします。
- プログラミング初学者・個人開発者: エラー発生時の情報量が圧倒的に多く、チュートリアル通りに進めやすいため、環境構築で挫折するリスクを最小限に抑えられます。
- モダンなWebアプリケーション開発者: Node.js、Next.js、Laravel、Django、FastAPIなどのフレームワークや、Docker環境を素早くセットアップしたい場合に最適です。
- クラウド(AWS / GCP)を活用するエンジニア: クラウド環境で最も標準的に使われているため、インフラの基礎知識をそのまま実務に直結させることができます。
Webエンジニアが最低限押さえておくべきLinuxコマンドや基礎知識の範囲については、WebエンジニアにLinux知識はどこまで必要?インフラ基礎の重要性をご覧ください。
CentOS後継(Alma/Rocky)を選ぶべき人(企業の基幹システム保守・インフラ専任)
以下のような特定の要件や環境がある場合は、CentOSの正統な後継であるAlmaLinuxやRocky Linuxの選択が適しています。
- エンタープライズ・SIer案件に携わる方: 官公庁や金融機関、大企業の基幹システムなど、RHEL(Red Hat Enterprise Linux)系が標準とされている現場を担当する場合。
- 既存のCentOS 7サーバーをリプレイスする業務: これまでの運用手順やシェルスクリプト、Ansibleプレイブックなどの資産をそのまま流用して移行を進めたい場合。
- インフラ・サーバー運用を専門にするエンジニア: SELinuxによる厳格なセキュリティ設計や、RHEL系特有のパッケージ管理(RPM/DNF)のスキルを身につけたい場合。
Web開発のOS選びでよくある質問(FAQ)
Web開発環境のOS選定にあたって、初心者が疑問に感じやすいポイントをQ&A形式でまとめました。
Q1. Dockerを使う場合でもホストOSの選定は影響する?
A. 影響は小さくなりますが、ホストOSはUbuntuを選ぶのが最も無難です。
Dockerコンテナを利用すれば、アプリの実行環境そのものはOSに依存しにくくなります。しかし、Docker自体のインストール手順、Docker Composeの管理、ホスト側のカーネル更新やストレージドライバの互換性などを考慮すると、最もトラブルが少なく情報が充実しているUbuntuをホストOSに選ぶのが確実です。
Q2. 教材やスクールでCentOSが指定されている場合はどうすればいい?
A. 学習目的であれば、まずは教材の指示通りに進めるか、後継のAlmaLinux/Rocky Linuxを使いましょう。
過去に出版された書籍や講座では、CentOSを前提にコマンド(yumなど)が解説されていることがあります。コマンド体系の違いで学習が止まってしまうのを防ぐため、カリキュラムの指示に合わせるのがスムーズです。
ただし、個人開発や新規プロジェクトを立ち上げる段階になったら、実務の主流であるUbuntuに切り替えて進めることをおすすめします。
Q3. Ubuntuのバージョンは「LTS」を選ぶべき?
A. 開発用・本番用を問わず、必ず「LTS(Long Term Support)」と記載されたバージョンを選んでください。
Ubuntuには以下の2種類のリリースタームがあります。
- LTS版(推奨): 2年ごとにリリースされる安定版で、5年間の長期セキュリティサポートが提供されます(例:22.04 LTS、24.04 LTSなど)。
- 通常版: 9ヶ月間のみのサポートとなる短期リリースで、新機能の実験的な要素が強いため、開発環境やサーバー用途には不向きです。
特別な理由がない限り、常に「最新のLTSバージョン」を選択するのがベストプラクティスです。
まとめ:迷ったらUbuntu(LTS)で環境構築を始めよう
Web開発におけるOS選びで「CentOSかUbuntuか」で迷った場合、現在の状況下ではUbuntu(LTS版)を選ぶのが最も安全で効率的です。
- Web開発にはUbuntu一択: 最新の言語やフレームワーク、Dockerが手軽に導入でき、ネット上のノウハウや解決策も圧倒的に豊富です。
- CentOSはサポート終了: 従来のCentOS 7はEOLを迎えており、RHEL系が必要な場合はCentOS Streamではなく「AlmaLinux」や「Rocky Linux」を選びましょう。
- バージョンは「LTS」を選択: 長期安定稼働とセキュリティ担保のため、偶数年にリリースされるLTS版を利用するのが基本です。
OSの選定や環境構築に時間をかけすぎず、スムーズにWebアプリケーションの開発に集中できる環境を整えましょう。
OSを選定した後は、実際にサーバーを構築してアプリを公開してみましょう。手順はHTML5/WebアプリをデプロイするためのLinuxサーバー構築手順でステップごとに解説しています。
